抄録
はじめに
A病棟では、個別性を重視した日中活動支援の充実に向けて療育活動に取り組んでいる。B氏は人工呼吸器装着中であり、これまでは行事や療育に参加できていた。しかし、体調の変化に伴いベッド上で過ごす時間が多くなり、行事や毎日の療育参加が困難になっていた。今回、療育指導室と連携して、B氏にベッドサイドから関われる個別療育を計画し、取り組んだ結果を報告する。
実践方法
対象:48歳 男性 脳性麻痺 慢性腎不全 大島分類1 平均発達年齢3カ月
期間:2013年4月〜2014年3月
介入方法:
1.個別療育内容の決定
2.療育中の反応の確認
3.B氏の「快」表現表出の評価(3カ月毎)
(1)表情:口角を上げた笑顔、笑顔で頭を左右に振る
(2)左上肢の動き
結果
週1回30分間、これまでB氏が療育中に興味や関心を向けた楽器遊び・絵画・絵本の読み聞かせを療育内容として計画し、取り組んだ。楽器遊びでは、楽器が視界に入ると追視や注視がみられ、絵画では援助者が一緒にペンを握り、白紙に線が描かれると笑顔がみられた。評価の中で、音に対する反応の低下と医療的ケアの増加から介入前の療育内容をさらに検討した。鈴や色紙を入れたペットボトルマラカスを用い『見て遊べる・楽しめる活動』と指先で楽器に触れる『感触を楽しめる活動』を取り入れた。点滴中は手が動かせないため絵本の読み聞かせとした。絵が大きく色彩のはっきりした絵本を使用すると、絵本をめくるたびに笑顔がみられた。また、体調不良時は主にスキンシップを図ることでB氏の個別療育が継続できた。
考察
『見て遊べる・楽しめる活動』や『感触を楽しめる活動』は、B氏の発達年齢と体調に応じた内容であり、評価し活動を選択できたことが「快」表現の表出につながったと考える。また、多職種と連携し計画を実施出来たことでB氏に合わせた取り組み内容の提供につながったと考える。