日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
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P-1-E03 重症心身障害児(者)短期入所利用者と利用者家族のニードを知る
中村 文香片岡 康子寺倉 智子
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2014 年 39 巻 2 号 p. 286

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抄録
研究目的 昨年度、医療者間の情報共有のツールとして短期入所パス・個別情報シートの作成を行った。その結果、情報共有のツールとしては有効であった。しかし、医療者が提供するケアが家族のニードに添えているのか不明確であった。今回、利用者家族個々のニードを調査し、今後の短期入所利用者のケアに活かしたいと考えた。 研究方法 ・期間:2013年10月〜11月 ・対象:短期入所利用者家族 ・方法 1.短期入所利用者家族へのアンケートの実施:12件中10名から郵送にて回答を得た。 2.アンケートの分析 倫理的配慮 研究におけるアンケートは、本研究以外での使用は行わないことを説明し、同意を得る。 結果 短期入所利用中のサービスについて満足度を点数化し、毎月利用している家族(以下、A群)と利用回数とが年間に10回未満の利用者家族(以下、B群)の平均を算出し比較した。ややA群の平均点が0.4低い結果となった。B群での満足は、家での過ごし方をあまり変えずに尊重しているなどの意見があった。A群での気がかりは、薬や注入時間が守られているか等のケアの内容に関する意見が多かった。要望については、10名中6名から自由回答が得られ、A群は通りすがりでも声をかけてほしい、B群は入浴などのケアに対しての内容だった。 考察 利用者家族の短期入所に対するニードは高い。家族はより在宅に近い生活を送ることを希望していることがわかった。ニードを充足するためには、昨年度作成した個別情報シートを効果的に活用することで、在宅により近いケアができると考える。今後、短期入所の情報の取り漏れを防止し、短期入所利用中の在宅ケアの継続への取り組みは重要であると考える。 結論 1.利用者家族の過半数は病棟のケアに満足していたが、中にはケアに対しての不満・要望もあった 2.利用者家族は在宅のケアの継続を望んでおり、利用回数とともにケアの方法がより在宅に近い内容を求められる。
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© 2014 日本重症心身障害学会
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