日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
一般演題
P-1-E10 重症心身障害児を育てる母親の育児の支え
−専門職による育児の支え−
田中 美央倉田 慶子宮坂 道夫西方 真弓
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2014 年 39 巻 2 号 p. 289

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抄録
はじめに 近年、家庭で暮らす重症心身障害児が増加しており、育児を担う母親への支援の重要性が増している。本研究は、在宅で重症心身障害児を育てる母親に対する「専門職による育児の支え」を当事者の語りから明らかにすることを目的に調査を行った。 方法 学童期以上の重症心身障害児(大島分類1)を家庭で育てている母親12名への半構造化面接により質的分析を行った。期間は2006年8月〜2011年2月で、1人1〜2回面接を行った。倫理的配慮として研究目的、方法、自由意思、匿名性、利益とリスク、結果の公表について説明し同意を得たうえで実施した。本研究は新潟大学医学部倫理審査委員会の承認を受け行った。 結果 対象者は30〜40歳の母親。12名の母親の語りから192コード、35サブカテゴリー、7コードが見出された。7つのコードは、【支援者が子ども自身とよい関係が築ける】、【子どもに合ったケアを実践できる】、【必要な情報をタイムリーに具体的に提供してくれる】、【現実を知るための説明を十分してくれる】、【母親と支援者が相互に信頼しあっている】、【共に育児に向かう姿勢がある】、【ニーズに合ったコーディネートをしてくれる】であった。 考察 母親の育児の支えとして、支援者が子どもとの良好な関係を基に、子どもに合った確実なケアを提供できる点が見出された。この点は、過度な緊張や呼吸状態の悪化、安楽の阻害など子どもの全身状態の安定に直接的に影響するため、提供されるケアの安心が母親の支えになっていることが示唆された。またタイムリーで十分な情報提供により、相互に信頼し合う、共に育児に向かう関係が構築されていくことが、母親の育児の支えとなっていた。専門職からの支援は、母親のQOLにとって最も重要な要素であることが先行研究では報告されており、パートナーシップ形成のための母親と支援者相互の理解と支援が今後の課題と考えられる。
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© 2014 日本重症心身障害学会
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