日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
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P-1-F03 重症心身障害児の呼吸障害におけるnasal high-flowの有効性の検討
日衛嶋 郁子熊田 知浩魚住 梓林 安里藤井 達哉
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2014 年 39 巻 2 号 p. 296

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抄録
はじめに Nasal high-flow(NHF)は、鼻カニュラを使用して高流量の酸素投与を行う、新しい酸素療法である。マスクによる酸素療法とは異なり、鼻咽頭腔を高流量のガスが通過することで吸気・呼気ともに気道に陽圧(=PEEP)が加わることから、既存の酸素療法とNPPVの間の治療方法と考えられている。成人領域ではNPPVが有効とされている急性呼吸不全症例に使用されているが、小児領域での報告は少ない。今回、当院で急性呼吸不全で入院された重症心身障害児にTrilogy100®のCPAPモードを利用したNHFを使用し、その有効性を検討した。 方法 対象は2013年3月〜2014年5月までの間に急性呼吸不全でNHF管理を行った重症心身障害児(20歳未満)。各症例の原疾患、導入年齢、呼吸障害の主な原因、導入に至った理由と経過、治療効果について調査した。 結果 対象は8例、年齢は1歳6カ月〜12歳7カ月(中央値3歳8カ月)。原疾患は染色体異常3例、奇形症候群3例、周産期低酸素性虚血性脳症2例で、全例大島分類1の重症心身障害児(1例は気管切開症例)。呼吸障害の原因は急性気管支炎5例、喘息性気管支炎3例で、使用期間はそのまま在宅NHFに移行した1例を除いて3〜7日(中央値4日)であった。NHFを導入した理由は、NPPVの前段階として使用したものが5例、NPPVのインターフェイスを嫌がって装着困難だったものが2例、NPPVの圧刺激が不快で喉頭狭窄を起こしたものが1例だった。導入後数時間の経過で、全例SpO2の上昇、心拍数・呼吸回数の低下、呼吸努力所見が改善した。 考察 重症心身障害児の呼吸障害にNHFを使用し全例で効果を認めた。NPPVに比べてマスクによる閉塞感がないためNPPVを拒否してしまう症例において有効であり、また加湿効果に優れているため排痰にも効果があると考える。 結語 NHFは重症心身障害児の呼吸障害に対して、NPPVの前段階として効果があり、NPPVを拒否する症例に対しても使用を試みる価値がある。
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© 2014 日本重症心身障害学会
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