抄録
はじめに
座位をとることは、基本的な生命維持のための役割を担っている。しかし自分で姿勢を調整できない重症心身障害者にとって座位の維持は困難であるため、それぞれの身体に合った車椅子や姿勢保持椅子を作成することが大切である。車椅子作成を行うためには、正しい認識を持って車椅子作成にあたる必要があると考え、現状ではどこに問題があるのかを明らかにすることで、今後の車椅子作成が円滑かつ患者に合った目的で作成できるのではないかと思い、研究を行った。
研究目的
車椅子作成の手順や作成の疑問を明確にし、リハビリ科と円滑に情報伝達共有できる手段を考える。
研究方法
車椅子作成に関わる病棟看護師19名を対象に車椅子作成についての認識を確認し、勉強会を行い、方法や必要な情報を明確にする。
結果と考察
車椅子作成の認識度を調査した結果、病棟や家族の意見を記しておく車椅子作成希望表の存在を知っていても記入したことがないと答えた看護師が81.8%と多かった。これは情報を伝達共有するための車椅子作成希望表がうまく活用されておらず、病棟と車椅子作成を進めるリハビリ科や業者に必要な情報がうまく伝達していないことが分かった。また車椅子作成希望表は病棟で保管されないことや看護師とリハビリ科との話し合いの内容が残されてないことから病棟内での情報共有が充分でないため、完成した車椅子に不具合があると感じていることが分かった。そこで車椅子作成の手順を周知するため、リハビリ科に依頼し、車椅子作成の手順等について勉強会を実施したことで、疑問や、必要な情報伝達内容が明確にでき、参加者のほとんどが車椅子作成のプロセスや車椅子についての疑問を理解、解決できた。今後はリハビリ科との情報伝達を円滑に行うための連絡ノートを作成し、活用していくことで、患者に適した車椅子が作成できると考えられる。