抄録
はじめに
重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))が安全に楽しんで食事を行うためには、個々の摂食機能に合わせた食事環境を毎食同じに設定する必要がある。しかし、施設・病棟では食事時間や職員人数によりそれを行うことが難しい状況があると思われる。そこで今回、重症児(者)病棟の食事時間や職員人数、食事姿勢等の食事環境について調査を行ったので報告する。
対象・方法
対象は、関東地方の重症児(者)病棟を有する6施設全16病棟とした。質問紙を作成し、各病棟へ配布した。
結果
全利用者数は530名で、利用者の横地分類はA1が282名(53.2%)であった。各病棟の利用者数の平均は、33.1名であった。3食すべて経口摂取の利用者は、全体で320名(60.4%)、病棟での平均は20.0名であった。各食事の経口摂取者数の平均は、朝食20.2名、昼食21.4名、夕食20.4名であった。病棟で設定された食事時間の平均は、朝食65.6分、昼食60.1分、夕食60.9分であった。食事介助を行う職員人数の平均は、朝食5.4名、昼食10.8名、夕食8.3名であった。一回の食事で利用者一人にかけられる時間(食事時間÷(経口摂取者数÷職員人数)から算出)の平均は、朝食20.5分、昼食33.7分、夕食26.5分であった。食事姿勢で3食のうち1食でも異なる姿勢をとる利用者がいた病棟は、10病棟であった。食形態で3食のうち1食でも異なる形態を摂取する利用者がいた病棟は、4病棟であった。一回の食事で一人の職員が同時に複数の利用者を介助(複数介助)していた病棟は、4病棟であった。
考察
今回の調査では、利用者の重症度や経口摂取者数、食事時間、職員人数等は、施設・病棟によってばらつきがあった。しかし、食事時間や職員人数の変化により1.利用者の食事姿勢や食形態が食事ごとに異なる病棟がある、2.一回の食事で利用者一人にかけられる時間が昼食・夕食と比較し朝食で最も短くなる病棟が多いことがわかった。