日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
一般演題
P-2-F34 親子入所(母子入園)の摂食に及ぼす有用性の検討
田辺 良内田 智子永沢 佳純石井 光子
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 39 巻 2 号 p. 333

詳細
抄録
はじめに 親子入所(母子入園)は肢体不自由や重複障害を持つ乳幼児が保護者とともに一定期間入院を行い、集中機能訓練、療育指導を受けることを目的とした療育プログラムである。入院の主目的として運動機能向上や医療的ケアを含めた在宅療養環境整備があがるが、摂食に関わる問題を持つ例も多く、摂食指導にも重点を置いている。これまでに親子入所における体重や食事量、食形態の変化に関する報告は少なく、有用性の検討を行った。 対象と方法 2011年4月から2014年3月までに当センターに親子入所を行った108例の入院時と退院時の体重、食事量、食形態の変化を診療録から後方視的に検討した。平均年齢は2.5歳、平均入院期間は1.8カ月、臨床像はGMFCSでレベル1から5の順に9、25、13、14、39%、新版K式発達検査でDQ<70が92%、<20が42%であった。 結果 体重増加を73例(68%)、0.5kg以上の増加を27例(25%)で認め、全例平均で+0.25kgの体重変化であった。入院時は完全経管栄養14例、経管経口併用16例、退院時は完全経管栄養11例、経管経口併用18例で、入院中に経管離脱に至ったのは3例、新規に経管栄養導入を行ったのは2例であった。食事量の明らかな増加は23例(21%)で認めた。入院中に食形態が上がったのは24例(22%)、本人の咀嚼嚥下機能に合わせるために食形態を下げたのは10例(9%)であった。 考察 体重、食事量、食形態とも親子入所中に良好な変化を多くの例で認めた。障害児での摂食指導のニーズは高いが、外来訓練や通園施設での指導には頻度や本人の慣れ、雰囲気を含めて限界がある。一方、親子入所は入院期間が長く、指導者や空間への本人の慣れが期待でき、OTやST、看護師といった専門職が連携し継続した指導を行えることが効果的と考えられた。また、似た悩みを抱える他の親子と生活を共にすることで、保護者が穏やかな気持ちで食事介助に臨めるようになることも好影響と考えられた。
著者関連情報
© 2014 日本重症心身障害学会
前の記事 次の記事
feedback
Top