抄録
研究目的
重症心身障害児(者)は、疾患に伴い体緊張や啼泣が現れる患者が多い。これらの症状に対して、個々の障害の程度・発達の段階を充分に考慮しリラックス効果を目的として、個別の関わりを実施している。しかし、評価は担当者の主観で行っている場合が多い。日中および啼泣時には音楽やラジオをかけるといった固定した関わりが多く、患者にとってどの程度リラックス効果につながっているのか疑問を感じた。そこで、ストレスに対して迅速、敏感に反応すると先行研究で示されている唾液アミラーゼ値を測定し、数値化することで、関わりの客観的評価に活かすことができるのではないかと考えた。
研究方法
研究期間:2013年6月〜11月
対象:A病棟入院患者で反応がわかりにくい患者4名。
方法:関わり前中後に唾液アミラーゼ値を測定した(アミラーゼ値はリラックス時に下降する)。
倫理的配慮:院内の倫理審査委員会の承認を得た。
結果
A氏は、音楽をかけたときのアミラーゼ値は、1時間後に上昇し音楽を消した後が一番低くなった。B氏は、昼間に音楽をかけた場合は上昇したが、夜間に音楽をかけた場合、徐々に下降し、音楽を消した後には上昇していた。C氏は車椅子乗車時よりベッド臥床時が低値であった。D氏は、車椅子乗車時啼泣がありマットに臥床させると値は低下した。
考察
4名の患者を対象として取り組んだ結果からB氏に対する夜間の関わり以外は効果的な関わりとは言い難い。脊柱の変形や視力障害など患者個々の要因が背景にあると考える。今回の研究から主観的な評価だけでなく、客観的な評価を用いて関わりを評価し、関わり方を見直す必要がある。
結論
重症心身障害児(者)に対して看護者の主観的評価だけでなく、客観的評価を行うことの必要性を再認識した。