日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
一般演題
P-2-G27 脂漏性皮膚炎を繰り返す患者のケアを試みて
藤永 あゆみ島田 京子泉 里美岸川 千翔濱口 富美子橋本 由美子木下 日出美
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2014 年 39 巻 2 号 p. 342

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抄録
はじめに 長期にわたって脂漏性皮膚炎を繰り返す患者に、弱酸性泡洗顔でも症状の改善がみられないため、何が原因かを探究し症状軽減につながった例を経験したので報告する。 目的 脂漏性皮膚炎を繰り返す患者にスキンケアを統一化し、皮膚症状と環境因子などとの関連について調査し、皮膚症状の改善を図る。 方法 A氏 39歳 女性 顔面から前額部の発赤と浸出液を繰り返す 良眠 栄養状態は良好 1.弱酸性泡洗顔の手順を統一化、2.清潔な療養環境の保持、3.皮膚症状と環境因子(病室の室温・湿度)、肌水分率(額・頬)、皮膚科受診状況、ホルモン環境などとの関連性をチェック表により調査。 結果 1.スキンケア手順をベッドサイドに明示。2.枕カバー交換は取り組み前には1回/日と汚染時に行っていたが、取り組み後は3回/日と汚染時へと増えた。3.室温は、症状あり23.3〜23.8℃、症状なし22〜22.6℃。湿度は、症状あり(平均)45.1%、症状なし52.8%。肌水分率は、浸出液あり時に31.5〜33.5%、発赤のみ28.6〜31.4%、症状なし32.4〜33.5%、2007年〜2013年6月まで皮膚科受診は3回、取り組み後の6カ月は4回受診した。月経を挟む前後2〜3日は、発赤と浸出液がみられた。 考察 室温が高いほど症状が出現し、湿度は低いときに、症状が出やすい傾向にあった。乾燥で皮膚バリア機能が障害されているのかもしれない。肌水分率は、発赤のみの日は低下、浸出液を伴う日は湿潤により上昇し、症状出現との関連性は判断できなかった。月経を挟む前後は皮膚症状が増強し、ホルモン環境によるものと思われる。スキンケアを統一化することで症状の軽減につながったが、清潔な皮膚および療養環境をナースが多角的に捉えて取り組むことが重要と考える。 結論 脂漏性皮膚炎が慢性化し再発を繰り返す患者の皮膚症状の悪化には様々な因子が関連するため、その状況を的確に判断し早めの対応と総合的なケアの実践が必要である。
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© 2014 日本重症心身障害学会
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