抄録
目的
重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))はポスチュアリングが制限され、四肢の血流障害を伴い、下肢循環障害が多くみられる。そこで、安全かつ継続的にできる方法として、人工炭酸泉温浴(以下、バブ®浴)に着目した。バブ®浴は経皮的に吸収され、末梢血管を拡張し、皮膚血流量の増加作用、温感持続作用があり、下肢の循環障害に効果があることが立証されている。バブ®浴を実施することにより、足浴の効果が高まり、重症児(者)の下肢循環障害改善につながり保温効果があるのではないかと考え検証した。
方法
1.期間:2013年9月〜12月。2.対象:下肢循環障害のある脳性麻痺・ダウン症候群・知的障害・髄膜炎後遺症で、足浴の協力が得られ、患者の家族(後見人)より同意を得られた12名。3.方法:バブ®浴、15Lサイズの発砲スチロール製容器にバブ®1錠(45g)と40℃の湯6L、湯浴、40℃の湯6Lとした。室温24〜26℃・湿度50〜60%の環境下で、15時〜16時に10分間実施。測定指標は体温・酸素飽和度・温冷感(PMV指標)を、足浴前・終了10分後・20分後・30分後・60分後に測定。各データを一元配置分散分析。4.倫理的配慮:あわら病院臨床研究審査委員会で承認(No.1304)され計画実施した。
結果・考察
バブ®浴と湯浴は共に84回実施した。体温・酸素飽和度はバブ®浴と湯浴共に足浴前より終了10分後・20分後・30分後に上昇はみられ、バブ®浴の方が数値は高かった。一元配置分散分析では共に有意差は認められなかった。温冷感(PMV指標)は、バブ®浴と湯浴共にすべての時間で上昇しておりバブ®浴の方が高かった。一元配置分散分析では共にすべての時間で有意差を認めたことから、バブ®浴、湯浴共に保温効果が期待できると考えられる。
結論
下肢循環障害のある重症心身障害児(者)において、バブ®浴の方が湯浴より下肢循環改善につながり保温効果が期待できるとは言いきれなかった。