抄録
はじめに
平成25(2013)年国立病院機構本部医療事故報告では、介助中の骨折が14.3%を占め後を絶たない。A病院でも重症心身障害児(者)、神経難病の患者が主に入院し、超・準重症児(者)は44.9%を占め、高齢化や廃用症候群の進行、抗けいれん剤等の原因から骨脆弱性が高まり、変形拘縮の増強で、軽微な力でも骨折を起こす危険が高い状況で生活援助を進めている。骨折の発生は、2009年から2013年まで9例あり生活援助が原因と考えられた骨折は7例で入浴介助後に多く見られた。入浴は、移乗、移動、体位変換、おむつ交換、衣服の着脱等の生活援助で成り立ち複数の職員が係っている。2012年より骨折要因を入浴介助過程から見出し、マニュアルを作成し入浴に係る全職員に手技と骨折発生機序の学習会を行うとともに入浴介助状況をチェック表に基づいて評価しフィードバックし進めてきた。しかし、職員の入れ替わりやマニュアルを実技とスライドを使用しての口頭指導は、時間の経過とともに一定ではなく内容も根拠が不足しマニュアルの真意が理解されず病棟毎に介助方法が変化している状況がある。そこで入浴介助方法を標準化するため、介助場面毎に骨折リスクの根拠を盛り込みDVDを作成し指導評価を継続しながら骨折リスクの低減に取り組んでいるため報告する。
研究期間
2013年4月〜2014年12月
方法
マニュアルに骨折リスクの根拠を盛り込んだDVDの作成と周知医療安全推進担当者による評価の継続と結果のフィードバック評価方法の見直し。
結果
2013年の骨折発生は1件であった。根拠を盛り込んだDVDマニュアルは指導の標準化につながった。評価結果が向上した。
考察
日常方法生活援助に係る全職員が手技を統一し安全に介助することが、骨折のリスクを低減する。納得した上で生活援助を実践し、継続していくことが必要である。そのためには、定期的な評価と、理解しやすいマニュアルを用いて指導する必要があると考える。