抄録
はじめに
当施設では11年間前からMEPA2評価を実施している。個人チェックリストでは詳細な評価ができず、MEPA2を取り入れてみた。これは18カ月で200項目とスケールが小さい。またできる・できないだけではなく、できそうだの項目も記入できるので、次の発達課題が明確になるメリットもある。今回11年間の評価結果を検討したので報告する。
対象と研究方法
対象:年1回、全員のMEPA2評価をしたが、今回5年以上超(準)重症児として推移している入所者13名を検討した。(開始年齢2歳〜30歳)
方法:1項目を1点として、できそうだは0.5点として点数化した。評価条件として2人で2回以上確認できたらできるとした。
期間:2003〜2013年
結果
総得点では13例中12例増加した。姿勢では9名増加、2名低下、2名変化なし。移動では8名増加、5名低下。操作では8名増加、4名低下、1名変化なし。コミュニケーションでは8名増加、5名低下。喉頭気管分離術・PEG等後9名中8名伸びた。10歳前後までは10名全員伸びた。
考察およびまとめ
超(準)重症児はMEPA2では発達的変化が見えてくる。10歳前後までは重症度に関わらず、全員が伸びている。その理由の一つに平均年齢17.6歳と低年齢であることが考えられる。また、外科処置(喉頭気管分離術やPEG等)や予防ケア(IPV・腹臥位・呼吸リハ等)を徹底し体調を整えると伸びてくる。姿勢は重症児看護の原点であるが、3年前、年間500〜600単位のリハビリテーションをすると呼吸器感染症が低下するという報告をしたが、リハビリテーションの介入は発達や合併症予防に必須である。以上より、重症児看護では、チーム医療の中で予防ケアを徹底し発達を促すことが大切である。