日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
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P-1-F04 本人中心アセスメントシートの導入による活動時間の充実を目指して
齋藤 工恭植竹 崇
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2015 年 40 巻 2 号 p. 285

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抄録
目的 利用者が自己主張・自己表現・自己実現できる場である「活動」の充実を図るために「本人中心アセスメントシート」による意思決定支援を導入し、その効果を検証すること。 方法 1.対象者:A病院利用者47名。 2.実施期間:12月〜1月までの2カ月間。 3.手  順:活動グループをアセスメントシートの「好きな事」を基に編成した。対象者に活動へ参加してもらい、活動毎に参加した職員が活動記録を記入した。実施後、職員21名に任意かつ無記名でアンケート調査を行う。(回収率100%)以上についてはA病院の倫理審査委員会の承認を得たうえで、対象者に文書を用いて説明し同意を得た。 結果 記録に関しては各活動、利用者が「積極的に参加していた」「笑顔になった」等、活動に対し前向きな記録が多く残されていた。職員アンケートでも「快表情になった」「自分のペースでできた」という回答が多くあった。その他の意見としては、活動を始めて間もないため、まだ利用者個々のアプローチができていないという意見もあった。 考察 今年度は試行期間も短く、まだ発展段階であり、課題が残る結果となった。しかし、活動記録には楽しんでいる様子や積極的に参加している様子が多く記載され、アンケートでも90%の職員が利用者個々に合っていると回答した。これは利用者主体で活動が行えたものと考えられる。アセスメントシートを導入することによって、職員が利用者目線に立つことができ、それが相互信頼関係となり、結果、利用者主体の活動、つまりは活動の充実につながると考えられる。 結論 活動を充実するために「本人中心アセスメントシート」は効果的であった。それは利用者目線で職員が考えることで、相互信頼関係を築き上げられ、利用者の希望を感じることができたからであった。
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© 2015 日本重症心身障害学会
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