抄録
重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))においての姿勢環境支援の基礎は、「座位保持制度の法制化」に加えて「見直し」によって「座位に類似した姿勢(立位、膝立ち、臥位など)が適応」となり、福祉法律上の権利を得た。「姿勢の選定(ポスチュアリング)」は適切な構えと体位を選定し適応可能な多様な姿勢の生活化であり、その基本方針を紹介した。われわれの重症児(者)の臥位の姿勢保持研究の経緯や最近の実態調査からその有効性を再考した。腹臥位系姿勢は呼吸機能を維持・改善し積極的な健康づくりとして早期から生活導入すべき有意な姿勢である。一方、側臥位姿勢は日常的な姿勢の変換も兼ね生活に良いリズムを作るなど根幹的な必須姿勢である。そして、夜間姿勢にもなり呼吸機能の維持・改善も担っている。また、視運動や上肢機能の改善で有効でもあり得る。特に腹臥位系姿勢および側臥位姿勢の制度活用も含めた全国的な普及、拡がりを期待する。