抄録
目的
病院移転という環境の変化に伴い、行動障害が悪化することなく過ごすことができる
方法
期間:移転前の平成27年5月の1週間、および、移転後9月の1週間
対象:強度行動障害児(者)19名のうち、不眠によって自傷より外傷に発展する患者5名
方法:1.行動障害の標準看護計画の作成 2.強度行動障害児(者)の部屋割りおよびベッド配置 3.睡眠時間と行動障害の悪化の有無倫理的配慮:家族に個人が特定できないようにすることを説明し、了解を得る。
結果
1.看護職員の経験年数や思考により行動障害児(者)への対応にばらつきがあった。行動障害標準看護計画の作成にあたり経年別・職種別の意見交換を行うことで、看護職員が共通認識することが出来た。2.消灯後、看護職員の足音や姿を見て啼泣したり自傷が見られていたD氏は、睡眠まで2時間かかっていたが、スタッフステーションから遠い部屋にすることで、30分以内で睡眠出来ている。また、同室者のベッド柵を叩く音で夜中に覚醒していたA氏は、同室者を変更することで朝まで良眠出来ている。3.移転前に比べ移転後には睡眠時間は平均1.89時間増加している。行動障害の悪化による治療や自傷による外傷の悪化はない。
考察
行動障害標準看護計画を作成することにより、行動障害に対する危険回避や予測行動が明確になり、個々にあった対応を統一することができた。また、オープンフロアーから4人部屋への変化に対しては、強度行動障害児(者)個別に気になる音、気にならない音を区別して、生活のリズムや行動を踏まえて、部屋割りしたことは、身体の生理的リズムが整い睡眠時間の増加につながったと考える。さらに睡眠が整のったことで、行動障害の悪化の予防が出来たと考える。
結論
行動障害児(者)個々に対して統一した看護介入を実施することは、移転に伴う環境の変化に対応でき、行動障害悪化予防に効果的であった。