日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
一般演題
P-2-F24 当センター未就学期ワーキンググループの活動
−情報共有ツール「つなぐ」について−
小川 智美
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2016 年 41 巻 2 号 p. 315

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抄録
はじめに 当センターリハビリテーション療法部小児療法室では、障害児(者)のライフステージに合わせ、未就学期・学齢期・成人期の各ワーキンググループ(WG)を立ち上げ、各ステージに必要な支援や研修などを検討し実施している。今回、未就学期WGの活動の一つ、情報共有ツール「つなぐ」についての活動内容、経過ならびに今後の方針について報告する。 活動内容および経過 千葉県では、療育を必要とするお子さんの情報伝達ツールとして、ライフサポートファイル(以下、LSF)が推奨されており、現在、県内の約5割以上の市町村で作成、使用されているが、療育場面や当センターでの使用経験は少ない。またLSFは、知的・発達障害児のライフステージが移行しても支援が継続できることを目的に作成されている。そのため多機関連携目的や肢体不自由児には適さないなど、われわれが行った保護者のアンケートから意見が挙げられていた。以上より、分かりやすく、誰もが使用しやすいよう自由度のある書式「つなぐ」を作成した。また、「つなぐ」を渡すだけではなく、書き方を提案し実践する「書こう会」をH27年8月の親子入園児の保護者から実施し、「つなぐ」の試用を開始した。「書こう会」では、見本を見せ、訓練場面、座位保持等の道具、玩具の写真を提示し、リハスタッフと一緒に作業することで、ファイル記載をスムーズに促すことができた。また、退園直前のフィードバックでは、活用方法、書き方は一緒に行うことで分かりやすく、書式も簡単なため、情報共有ツールとして使用しやすいとの意見が多く挙げられた。 今後の方針 外来移行した際にも「つなぐ」を活用するために、方法やモチベーションの維持、実際の使用状況の確認など、継続的な関わりが重要であることが考えられた。併せて、地域療育機関への説明、情報提供なども必要であることから、当センターの社会福祉士との連携の重要性も示唆された。
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© 2016 日本重症心身障害学会
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