日本重症心身障害学会誌
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O-1-C29 こども達の笑顔を守るために…修学旅行同行を通して感じた“医療と学校の連携”の必要性
片岡 愛佐塚 丈彦
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2017 年 42 巻 2 号 p. 198

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抄録
医療的ケア児にとっても特別支援学校中・高等部学校生活最後のビックイベントが修学旅行です。こども達はもとより、ここまで育ててこられたご家族にとっても目標そして喜びひとしおの感慨深いイベントでしょう。そんなこども達の修学旅行にここ数年同行しています。安心安全に、楽しい思い出をつくってほしいな…と応援しています。同行を通して感じることは、医療者がいることで先生達の肩の力が抜け、こども達の笑顔につながることです。トラブル発生時も相談や医療的判断ができるので、担当する先生と一緒に対応し役割分担することで、先生の緊張が解けこども達の緊張感も溶けて体調も戻り笑顔も戻ってきます。 また、学校の先生方の生徒への関わりだったり一生懸命な取り組みや思いなどを知ることができ、同行して見なければわからない世界だったと感じています。 修学旅行の同行は、初対面の子も多く、同行を躊躇される先生方も多いと思いますが、病院でも初診の患者さんと同じだと思うのです。初診の患者さんと思えば、普段の状態は先生達のお話や保護者へ電話すればわかることですし、病院での外来と同じだと考えています。旅行中、ちょっとした工夫で楽しい思い出づくりが続けられれば、とても、大きな役割だと考えています。 修学旅行初日のこども達の笑顔、生き生きした顔、忘れられません…。みんな“主人公”です。学校生活を安心に安全に続けられれるように、医療と学校の連携は必須と言えます。ここに医療的ケア児の課題解決のヒントがあるのではないかと考えています。本学会の副題にもありますが「うまれてよかったと思える社会づくり」にむけて、できることから一つづつ一歩一歩。医療と学校…ますますの連携で一緒にこども達の笑顔を守りたい…。
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© 2017 日本重症心身障害学会
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