日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
一般演題
O-1-C28 夜間急変時への迅速な対応
−アクションカードの作成−
飯野 由美子
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2017 年 42 巻 2 号 p. 198

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抄録

はじめに 重症心身障害児者施設においては、急変する場面にあたることは稀である。そこに従事している看護師はBLS等の研修をうけているものの急変対応に対する不安は大きい。また、夜勤も看護師2人であるため、看護師の早期対応、判断が必須であり、いかに迅速に行動できるかが重要な鍵となる。今回、急変時に迅速に行動できるようアクションカードを作成した。 目的 アクションカードを作成し迅速な急変時の対応ができる 方法 1.場面(CPA状態での発見)設定し、シミュレーションを行いアクションカードを作成する 2.作成したアクションカードをもとに設定した場面でのシミュレーションを実施する 3.1.2の後、ディスカッションを行い、アクションカードを修正する 結果 アクションカードの内容については、「簡単で見やすいもの」「ポケットサイズ」「説明文があった方が良い」「電話番号は目立つ色にした方が良い」等の意見があった。また、シミュレーションの実施については、「イメージができた」「アクションカードに沿って行動することで落ち着いて次の行動がとれる」「応援者の連絡がスムーズにできる」等の意見があった。 考察 アクションカードは、個々の役割が具体的かつ簡潔に記載されているため、それを見ることで慌てることなく、落ち着いた状態で行動できると考える。今までは、救急時の対応は、個々の判断で行動していたが、これを活用することで看護師それぞれの役割も明確になり、迅速に行動できるようになる。今後、アクションカードは行動指標として活用していきたい。そして、日頃から繰り返しシミュレーションを行うことで、さらに冷静、迅速に対応できる力をつけていくことも必要と考える。

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© 2017 日本重症心身障害学会
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