日本重症心身障害学会誌
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O-2-B06 経腸栄養剤変更による消化管機能の変化
池田 将巳徳永 大輔中村 薫伊藤 哲也影山 隆司
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2017 年 42 巻 2 号 p. 203

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抄録
はじめに 重症心身障害児者ではさまざまな理由により消化管機能異常を認める。今回、従来使用していた栄養剤を変更したことにより消化管機能の改善を認めることができたので報告する。 研究対象 当施設入所中で、経管栄養管理の6名。男性3名、女性3名。平均年齢46.4歳、横地分類1例A1-C、5例A1。先天性障害2名、周産期障害1名、後天性障害3名。経鼻経胃管栄養者4名、経鼻経腸管栄養者1名、腸瘻栄養者1名。抗てんかん薬内服者5名、下剤内服者3名、浣腸使用者5名。変更理由は、長期の難治性下痢を呈している1例、摂取カロリーが1000Kcal/日未満で付加食品を併用し微量元素を補充している5例。 方法、変更内容 栄養摂取内容変更前後3カ月間の排便回数と量・便性の変化、下剤・浣腸の使用頻度の変化、BMI・体重の推移を追跡調査した。エレンタール利用2名はペプタメンスタンダードとハイネイーゲルに変更。エンシュア、エネーボ、ラコール使用者4名はハイネに変更した。また、負荷食品として、だし汁、一挙千菜、GFOを使用していた。 結果 6例とも注入回数もしくは注入時間が減少。難治性下痢が持続し、完全消化態栄養剤より乳清ペプチド消化態栄養剤へ変更した症例では、水様便から泥状様へ変化し、血液データも改善した。その他の症例では、栄養バランスの改善のみならず、慢性便秘の改善や浣腸回数が減少した。また負荷食品の併用を中止できたことにより注入回数を減らすことができた。なお、体重、BMIの明らかな変動は認めなかった。 結語 注入内容の変更により栄養バランスの改善のみならず、下痢や便秘などの消化管機能の改善が認められた。注入時間の短縮や回数の減少により、日中活動の時間をそれまで以上に確保でき生活の質の向上にもつながった。
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© 2017 日本重症心身障害学会
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