抄録
はじめに
当施設は、固定チームナーシングを実施し、主に看護師、生活支援員が協力しながら病棟の業務を行っているが、毎日の業務ではうまくチームの連携がとれていない現状がある。
目的
日勤業務で実施しているリーダー業務について調査し、その内容を分析し現状を明らかにすることで、チーム運営に役立てる。
方法
質的研究
結果
質問内容に沿ってカテゴリーと回答数をまとめた。1.リーダーの役割の内容は、「メンバーの力が発揮できるように全体の調整をする」が多かった。2.業務を円滑に進めるための調整内容は、「メンバーの予定を聞いて優先順位を決める」との回答が多かった。3.チーム内は、「業務進行の確認」や「休憩の調整」などがあり、チーム間は、主に時間設定の調整内容が多かった。生活支援員とは、「日中活動に向けての調整」を多く行っていた。4.メンバーに対しての指示の内容は、動きに慣れていないメンバーに対して「次の行動を指示する」であり、指示を出さない理由は、経験を考慮し「任せている」が多数を占めていた。5.リーダーを行う上での困ることの内容は、リーダー業務内容に関してと、メンバーに関すること、リーダー看護師の精神的な内容であった。6.リーダーとしての働きやすさの内容は、「メンバーの主体的な動き」と「業務負担の少なさ」があった。
考察
業務の円滑さは、メンバーの主体的な動きに支えられている。だが、業務がスムーズに進められていないときは、次の行動を指示したり、同じ目標で動けるように方向性を示すなどのリーダーシップが必要である。また、リーダーが業務をこなすことが精一杯で全体に目が向けられずリーダー本来の役割ができてないこともある。メンバーの力量の把握とともに、リーダー自身の力量を考えて、状況変化に応じて、業務配分を検討するなどの業務の調整が必要である。