日本重症心身障害学会誌
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P-2-C19 都内の重症心身障害児(者)A施設に勤務する社会人経験のある看護職員の勤務継続要因
山内 則子
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2018 年 43 巻 2 号 p. 393

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抄録
目的 重症心身障害児(者)A施設に勤務する社会人経験を有する看護職員の勤務継続理由を明らかにすることで職員確保と職場定着の示唆を得る方法A施設に勤務する社会人経験のある看護職員10名を対象に、半構造的面接法によるインタビューを実施。録音をもとに逐語録を作成しコード化・カテゴリー化した。社会人経験の定義:正規職員として看護職以外の就業経験が1年以上あること。 結果 750のコードと4つのカテゴリー【家族の協力】【社会人時代との比較】【現状への高い満足感】【看護職員としてのモチベーションアップ】、26のサブカテゴリーが抽出された。 考察 1.社会人経験者は、両親・家族から看護学生時代からの継続した支援を得ており【家族の協力】がベースにある。また国家免許の魅力など【社会人時代との比較】をしており、通勤時間や勤務時間、給与、休暇取得などへの満足感を得ている。さらに職場の良好な人間関係もあり【現状への高い満足感】を感じている。加えて重症心身障害児(者)看護のやりがいやキャリアアップできる環境が仕事への情熱とチャレンジ精神を増進させ【看護職員としてのモチベーションアップ】をすることにより勤務継続につながっている。 2.【現状への高い満足感】はマズローの欲求5段階のうち、社会的欲求の充足に加えて精神的欲求を満たす。さらに【看護職員としてのモチベーションアップ】によりマズローの尊敬・評価の欲求を満たし、自己実現の欲求に向け努力を続けられることが勤務継続につながる。また、この2つのカテゴリーは「ハーズバーグの二要因」において、衛生要因・動機づけ要因の両方を充足している。 3.さらなるモチベーションアップのため、学習支援やライフワークバランス両立への支援、専門職業人としてキャリアアップするための支援、子育てへの理解が必要である。
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© 2018 日本重症心身障害学会
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