日本重症心身障害学会誌
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一般演題
O-10-03 レスパイト目的のショートステイ(福祉型および医療型)の利用日決定後の変更の実態調査
南谷 幹之木村 玲奈関 真澄小関 直子杉原 進早川 美佳今井 祐之
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2019 年 44 巻 2 号 p. 365

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抄録

目的 当院のショートステイは2003年度「障害者支援費制度」に始まる。体調が変動しやすく追加的医療対応が求められ得る利用者を医療型として、一方安定している利用者は受給者証を用いる福祉型としてショートステイ入院を分類している。ショートステイ(福祉型およぶ医療型)を希望する場合、当院では事前に小児科外来を受診し、医療相談室に利用月の2か月前までに申し込み、月1回の病床利用調整会議で希望者全員の利用日を決定し、後日実際の利用実績を確定している。今回は利用日決定後の変更(緊急利用を含む)の状況を知る目的で実態調査を行った。 対象・方法 対象は2018年4月から2019年3月までの1年間に家族のレスパイト目的で当院小児科でショートステイを利用した症例である。方法は病棟利用調整会議で確定した利用実績(単位:日人)、緊急利用を含めた変更件数(重複あり)、変更理由、変更数(日人)を後方視的に調査した。 結果 当院小児科に入院したショートステイ利用実績数は9,454日人あった。調整会議で利用日決定後の変更(含緊急利用)は計250件、変更数は581日人(利用実績比6.1%)減少していた。変更理由(含重複)は、家族・家庭の事情(病気、仕事、行事等)101件(40.4%)、患者の体調不良78件(31.2%)、他施設を利用中16件(6.4%)、患者の外来通院・検査15件(6.0%)、病院・病棟の事情(病棟内感染症流行等)14件(5.6%)、患者の学校行事9件(3.6%)、冠婚葬祭8件(3.2%)であった。 考察 利用日決定後の変更数は利用実績比で6.1%減であり、決定後に発生した変更に応じた利用日再調整(含緊急利用)は十分とは云えない。変更の理由は、家族の都合と患者自身の体調不良が7割強あり、いずれも突発的であり、新たな利用受け入れのための再調整は速やかになされることが重要と考えられた。 結語 当院のレスパイト目的のショートステイには突発的な利用日変更は少なくなく、利用日再調整が速やかになされる取り組みが必要となろう。 申告すべきCOIはない。

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© 2019 日本重症心身障害学会
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