日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
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P-6-08 重症心身障害児(者)施設における移転を終えて
桑原 光代
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2019 年 44 巻 2 号 p. 444

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抄録
当センターは、医療型入所施設128床であり、長期利用者92床、短期入所28床、医療入院8床である。オープンより26年が経過し、老朽化に対する大規模改修の前段階として、2018年10月に仮設棟へ移転した。重症心身障害児(者)を抱える施設での移転は稀であり、当センターの移転の経験が他施設への安全な移転に繋げられることを目的にまとめたので報告する。 仮設棟への移転にあたっては、以下のことを計画的に進めた。 1.設計について:現状より狭い土地にどのように部屋を配分するか。利用者を中心に病棟と通所の位置を決め、その他、外来や訓練室等を配置した。 2.ご家族への説明について 3.近隣施設への説明について 4.移転までのスケジュール作成:当日までの準備。当日の予定。移動する病棟と、利用者の順番 等 人員配置と役割分担 5.厨房の移転と関連した食事の提供の仕方 6.センター時事業の一次中止と対応 7.医療に関連する薬剤・検査・放射線の機器 8.当日夜間管理体制 移転当日は、計画したタイムスケジュールに沿って実施した。予定より早い時間で事故なく無事に移転することができた。利用者も、昼夜ともに大きな状態の変化なく環境の変化にも順応して、日常生活を過ごすことができた。 今後の課題は、引っ越しから2年後に本館に戻る予定である。今回のことをふまえ、安全に移転ができるよう準備を怠ることなく行うことが必要であると考えている。 申告すべきCOIはない。
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© 2019 日本重症心身障害学会
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