2020 年 45 巻 3 号 p. 263-266
症例は27歳の女性。生後10か月で肺炎球菌による細菌性髄膜炎となり水頭症を合併し重度の後遺症を残した。成長するにつれて誤嚥性肺炎を繰り返すようになり、19歳で胃瘻造設、22歳で気管切開術を施行された。25歳時に当施設に入所されたが、唾液誤嚥が多く肺炎を繰り返したため26歳で喉頭気管分離術を施行された。術後10か月目に気管より多量の出血を認め、頸部造影CTにて気管支動脈から肉芽への側副血行路より出血したものと診断した。挿管チューブを挿入してカフを膨らませて一時的に止血したが、翌日に再度出血して血液貯留による窒息により死亡した。