日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
一般演題
O-9-01 重症心身障害児(者)病棟に勤務する「若手看護師」への支援
渡邊 裕子田中 舞花房 人美
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 46 巻 2 号 p. 259

詳細
抄録
はじめに 重症心身障害児(者)はコミュニケーションの困難な患者が多く、高いアセスメント能力が必要となる。先行研究では、若手看護師へ必要な支援として先輩からの技術的・精神的サポートが挙げられた。今回、先輩看護師の具体的なサポート内容を明らかにし、今後の指導の示唆を得たいと思い取り組んだ。 研究方法 対象:4年目以上の看護師23名(研究メンバーは除く) データー収集・分析:アンケート調査し、考察する 研究期間:20XX年10月〜20XY年3月 倫理的配慮:A病院の倫理審査委員会の承認を得た 結果・考察 アンケート用紙の回収率100% 若手看護師に関わる際に心がけることは、「初めての看護技術は手順を見て行う」ことで自身が役割モデルとなり知識・技術を教えている。また「話しかけやすい雰囲気をつくる」など、自尊心を傷つけない配慮がされている。 病状の判断時に大切にしていること、説明時に重視する内容は、「対象の個々の特性や現在の病態に至るまでの経過、表情の読み取り方」などである。 若手看護師が困難に感じる患者とのコミュニケーションやアセスメントは、先輩が実践してみせて一緒に考えることで能力を高められている。 達成感を得る関りでは、「できていることを伝え褒める」ことで自己肯定感を高めている。また、若手看護師のペースに合わせたことで、不安の軽減・失敗を防ぐことに繋がったと考える 独り立ちに必要なことは、「成功体験の継続した獲得」であった。小さな成功体験を積み重ね、知識・スキルを獲得できる指導が必要であると考える。 結論 1.若手看護師への具体的支援は、重症心身障害児(者)の特性や現在の病態になるまでの経過、表情の読み取り方など患者個々の状態の説明 2.個別性のある看護実践を若手看護師に繰り返し見せる 3.若手看護師のペースに合わせ、1人で自信をもち出来るようになるまで支援を続ける 4.小さな成功体験を何度も継続して経験させる
著者関連情報
© 2021 日本重症心身障害学会
前の記事 次の記事
feedback
Top