日本重症心身障害学会誌
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O-9-03 入職3年までの看護職と福祉職による院内合同研修計画の構築
島田 信幸藤川 江美子高木 弥栄山内 則子
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2021 年 46 巻 2 号 p. 260

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抄録
はじめに 重症心身障児(者)A施設は、看護職と福祉職が看護科に所属し、ともに医療・生活援助を行っている。2017年に25年ぶりに福祉職の新規採用があったことを契機に新規採用福祉職対象の院内研修を計画した。すでに計画されている看護職研修との合同で研修を実施したが、職種の違いから合同では難しいものもあり検討が必要となった。今回、看護職と福祉職の院内合同研修に参加する職員の思いを明らかにし、効果的な研修計画を構築するための示唆を得ようと取り組んだ。 期間と方法 2018年7月〜2019年12月  入職3年までの看護職10名と福祉職2名に半構造的面接法によるグループインタビューを実施。逐語録を作成し重要なフレーズをコード化・カテゴリー化した。施設の倫理委員会の承認を得た。 結果と考察 逐語録から203のコードと4のカテゴリー、10のサブカテゴリーが抽出された。【合同研修での職種差異の受容】では、同じ研修生として認識し、否定的な思いは少なかった。【合同研修での学び】では、異なる視点での学びがあり違いを学ぶ重要な経験であったとの思いが聞かれた。【合同研修での困難】では、福祉職は医療的側面の知識が多く困難さを感じていた。【合同研修への要望】では、全て合同研修であったことから対象を分けた方が研修効果は高まるのではないかとの思いや、合同研修だけでなく専門性を高めたいという意欲が見られた。入職3年までの看護職と福祉職の院内合同研修に参加した職員は、入職当初から合同で研修を実施することにより合同研修での職種差異の受容をしており、研修では合同研修での学びと合同研修での困難を感じていた。そしてより効果的な研修時間となるよう合同研修への要望を持っていた。このことから、専門性を尊重できる研修づくりを行い、同期の繋がりを活かしながら、多職種合同研修を多職種連携へとつなげられる環境づくりが必要であると示唆を得た。申告すべきCOIはない。
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