抄録
Rett Syndrome Behaviour Questionnaire(RSBQ)は、介護者が45項目に対し「有」、「時々」、「無」のいずれかで回答し、全項目の総計点や領域毎の合計点を得られる。本研究では、本邦のレット症候群児(者)に対するRSBQの結果の特徴を明らかにし、年齢、知的発達、移動機能との関連を明らかにすることを目的とした。対象は日本レット症候群協会会員とレット症候群支援機構会員の計194家族とし、自記式質問紙を用いた。72名の情報が収集され、RSBQの各項目に対して70名以上が回答された。70%以上の児(者)が「手の動き」の領域の全6項目で「有」または「時々」に回答した。「手の動き」の領域の合計点は、横地分類知的発達と有意な相関も認め、レット症候群の症状や特徴をよく反映し、リハビリテーションや教育的支援の評価や効果判定の一つの指標として活用できる可能性が示唆された。一方で、60%以上の児(者)が「夜の行動」の領域では「無」との回答が多く、レット症候群の症状との関連の見直しが必要な項目や領域があることも示唆された。