抄録
目的
療育センターの重症心身障害児(以下、重症児)の日課のあり方はこれまで検討されていない。そこで登園後の5つの療育場面について、3名を事例にSpO2と心拍数を指標にスヌーズレン療育場面と他の場面の比較を試み、重症児に無理のない日課のあり方を検討した。
方法
1.事例児と療育期間・場面・分析 H児: 4歳児、大島分類1、寝たきり。I児: 5歳児、大島分類5、寝がえり可。J児: 2歳児、大島分類1、寝たきり。3名とも脳性麻痺と知的障害とてんかんを併せ持ち、呼吸障害や不整脈は見られなかった。療育期間は200X年4月~200Y年1月、3児とも計8回ずつ参加し体調は安定していた。登園後、毎回「朝の休憩・約10分」「朝の会・約15分」「スヌーズレン療育・約20分」「個別保育・約20分」「食事・約40~60分」に参加し、各療育間に5~10分の休憩を入れた。スヌーズレン療育は、対象児1名と母親と研究者の3名1組で順番に実施し、バブルチューブやサイドグロウ、ソーラープロジェクター、アロマ、CD曲、ビーズクッションを用いて主にリラックスを促した。対象児にプローブとパルスオキシメーターの本体を装着し解析はソフト(テイジンDS-M)を用いた。
2.倫理的配慮 センターと事例児の母親に研究目的を伝え、個人が特定されないようにし途中でも止められること、それによる不利益は生じないことを伝え、書面で研究への同意を得た。開示すべき利益相反関係はない。
結果および考察
スヌーズレン療育場面を基準に、SpO2と心拍数を指標に他の4つの場面と比較を行った。その結果、SpO2は「朝の休憩」で最も低く有意であった(p<0.05)。心拍数も「朝の休憩」で最も低く有意であった(p<0.05)。各療育を経るごとにSpO2と心拍数は徐々に上昇し、特に「スヌーズレン療育」でSpO2と心拍数が安定化したことから、「スヌーズレン療育」を日課の早い時間帯に位置付けることでその後の活動中の心身を安定化でき療育的に望ましいと思われた。