日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第49回 日本医真菌学会総会
セッションID: P-119
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Phaeoacremonium parasiticum による phaeohyphomycosis の 1 例
*徳久 弓恵武藤 正彦
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抄録
75 歳男、無職(趣味:園芸)。生来健康。初診の約 3 ヶ月前の春、右前腕を山イチゴの棘により刺傷。その後同部位にしこりが出現し、徐々に増大。平成16年6月当科初診、右前腕屈側ほぼ中央に暗赤色の拇指頭大皮下嚢腫を認めた。局所熱感および疼痛はなく、穿刺にて血性膿排出。局所麻酔下に皮下膿瘍を全摘した。病理組織学的検査にて膿瘍中央に木片と思われる異物あり、その周辺に組織球および巨細胞浸潤を認め、PAS 染色にて木片周囲の組織球内に多数の大型胞子、胞子連鎖および菌糸を認めた。4% サブロー寒天培地にて血性膿および生検組織を培養 5 日目で発育の早い、灰白色毛状の集落を得た。スライドカルチャーおよび分子生物学的手法を用いて Phaeoacremonium parasiticum と同定した。同菌による phaeohyphomycosis の診断にて、全摘後イトラコナゾール 100 mg/day を 1 週間内服したが下痢のため投薬中止。現在まで再発は認めていない。Phaeoacremonium parasiticum はわが国でも環境中から分離され、さまざまな植物の病原菌となりうる。本菌によるヒトの感染症の報告は稀で、世界でも腎移植後の免疫不全患者にみられた皮下病変や、健常人にみられた感染性関節炎の報告が数例あるのみである。
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© 2005 日本医真菌学会
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