抄録
救急医療の現場においては、多発外傷、広範囲熱傷、中毒など重篤な基礎疾患を有する患者に対して、必然的に集学的治療を行う結果、抗生剤、免疫抑制剤、ステロイド剤などの長期投与、中心静脈栄養あるいは血液浄化法時のカニューラ類の使用などにより compromised host に陥り、真菌症を合併することが少なからずみられ、年々増加傾向にあり、診断が重要視されてきている。
カブトガニの血球抽出液を用いたエンドトキシン測定法としてのリムルステストは、岩永らにより研究されゲル化法から比色法、そして比濁法へと進歩した。これらにより β-グルカン値を測定することにより真菌症の診断法として用いられている。
我々は、以前は比色法により β-グルカン値を測定してきたが、この数年は比濁法にを用いて β-グルカン値を測定している。
今回は、β-グルカン値を測定することによるこの約 20 年における真菌症の推移にについて報告する。