日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第49回 日本医真菌学会総会
セッションID: P-36
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Cryptococcus neoformans の laccase 遺伝子(CNLAC1) と血清型との相関について II.アミノ酸の全配列の比較
*久和 彰江仲村 健二郎青木 茂治田中 英一郎ヴィドット ヴァレリオ
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抄録
ヒト真菌症の重要な起因菌である Cryptococcus neoformans は 3 変種 (Cr. neoformans var. grubi, var. neoformans および var. gattii ) と 5 血清型 (A,D,B,C および AD) に分けられる。本菌の特徴でもあり、病原因子のひとつでもあるメラニン産生は宿主の酸化的食菌作用からの回避の働きがある。我々は第 47 回と 48 回の医真菌学会総会においてメラニンを産生する laccase 遺伝子 CNLAC1 (4889 塩基; Williamson, 1994) の一部 570 塩基を報告したが、今回は 5 血清型の全アミノ酸配列を報告する。
【材料・方法】タイのエイズ患者からの分離株、イタリアのエイズ患者およびハトの糞からの分離株、ブラジルのエイズおよび非エイズ患者からの分離株および千葉大学真菌医学研究センターから供与された株の計58 株を使用。常法にて genomic DNA を抽出後、数種のプライマーの組み合わせから ABI PRISM 310NT Genetic Analyzer で塩基およびアミノ酸を解析した。
【結果】個々の血清型の開始および停止コドン間のアミノ酸 625 から 615 個を明らかにし、相関関係および系統樹的解析を行ない、類縁関係を考察した。Williamson が明らかにした CNLAC1 (4889 塩基)は血清型 D のものであり、そのほかの血清型の塩基およびアミノ酸の全配列を明らかにしたのは、本研究が始めてである。
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© 2005 日本医真菌学会
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