抄録
[目的] Superoxide dismutase(SOD) は食細胞が産生する活性酸素を消去して殺菌作用に抵抗し、病原性に関与している。今回は、Cu-ZnSOD をコードする Cne SOD1 の発現を reporter gene として Copepod Pontellina plumata の green fluorescent protein (GFP) 遺伝子を用いて調べる。[方法・結果] GFP 遺伝子は Fusion PCR 法で作成した GFP 導入用カセットを金微粒子にコーティングし、Biolistics PDS-1000 system (Bio-Rad) で細胞に打ち込み、染色体に導入した。その結果、SOD1 の開始コドンから約 600 塩基対が欠落し、励起光照射下で発光する SOD1 欠損株が標準株 #50、臨床分離株 Th73 および Th73 由来メラニン非産生バリアントから得られた。 GFP 遺伝子が染色体に導入されていることは GFP 遺伝子に特異的なプライマーセットを用い PCR 法で確認した。標準株由来 SOD1 欠損株 #50-1 は、細胞内活性酸素発生試薬である menadione に対する感受性が親株より高かった。また、本欠損株の発光強度を menadione を種々の濃度で添加した YNB + glucose 液体培地で分光蛍光光度計を用いて経時的に調べた結果、2 μM で著明に高くなった。さらに、SOD1 欠損株のメラニン産生能を検討した結果、メラニン非産生バリアント由来株を含め、すべての SOD1 欠損株で産生が認められ、メラニンが Cu-ZnSOD の機能を代償する可能性が示唆された。