日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第49回 日本医真菌学会総会
セッションID: P-56
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血液培養由来酵母 287 株に対する遺伝子学的同定
*菊池 賢戸塚 恭一内山 竹彦
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抄録
酵母の同定には形態観察、厚膜胞子形成、仮性菌糸、糖資化試験などを組み合わせた従来法に、クロモアガー上での発育、各種同定キットなどが用いられている。一方、近年、再現性に優れ、正確な ITS1-ITS2 領域、26S rDNA 領域などの遺伝子配列が真菌の菌種同定に用いられるようになってきた。 そこで 1997 年から 2004 年に分離された血液培養由来酵母 287 株を対象に、形態的、生化学的検査(クロモアガー上での発育、rapid ID32C、API-20AUX, Vitek2 Yeast card による同定を含む)による従来法と ITS1-5.8S rDNA-ITS2, 26S rDNA D1/D2 領域配列決定による遺伝子同定結果との比較を行った。
対象となった酵母の従来法による菌種内訳はC. albicans 112, C. parapsilosis 79, C. glabrata 34, C. tropicalis 25, C. krusei 5, C. guilliermondii 3, C. lusitaneae 2, C. sake 2, Candida sp. 4, C. curvatus 9, C. neoformans 4, T. asahii 4, Rhodototorula sp. 4 であった。遺伝子同定菌名と従来法の一致したものは 272 株、一致率は 94.8% であった。同定結果の異なっていた菌種の内訳は、C. dubliniensis 4 (従来法: C. albicans 4), C. parapsilosis 2 (従来法: Candida sp. 2), L. elongisporus (従来法: C. sake 2), . C. tropicalis 1 (従来法: Candida sp.), C. guilliermondii 1 (従来法: Candida sp.), P. anomala 1 (従来法: C. guilliermondii.), R. mucialogenosa 4 (従来法: Rhodotorula sp. 4)で、近年、抗真菌薬耐性が注目される C. dubliniensis は全て C. albicans と同定されていた。
遺伝子同定法はPCR、DNA sequencer などを必要とし、手技も簡便とは言いがたいが、従来法で同定の困難な菌種についても適応可能で選択肢の一つとして考慮すべき方法と考えられた。
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© 2005 日本医真菌学会
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