抄録
【目的】ミカファンギン (MCFG) は動物の感染モデルを用いた成績からCmax/MIC値に依存する薬剤であると考えられているが、 その臨床効果とPK-PD の関係については十分に解決されていない。そこでMCFGのPK-PDについて臨床的に検討した。【方法】カンジダ属による真菌血症と診断され、治療薬としてMCFGが選択された24症例を対象とした。MICはCLSI標準法を用いて測定した。また、MCFG初回投与終了直後の血中濃度を測定し、Cmax/MIC値として算出した。臨床効果判定は、解熱、炎症データの改善傾向、真菌陰性化のすべてを満たした症例を有効と判定した。【結果】原因真菌の内訳は、C. albicans14株(58.3%)、C. glabrata 4株、C. parapsilosis 3株、C. tropicalis 2株、Candida属1株であった。MCFGの臨床効果は、有効19例(79.2%)、無効5例(20.8%)であった。真菌学的効果は、臨床効果とパラレルであった。無効5例の原因真菌は、C. glabrata 2例、C. tropicalis 1例、C. parapsilosis 2例であった。Cmax/MIC値と臨床効果の関係は、Cmax/MIC≧4を示した症例では有効率95.0%(19/20)、Cmax/MIC<4では有効率0%(0/4)であった。【結論】MCFGに関しては、Cmax/MIC≧4となる投与設計でより高い臨床効果が得られる可能性が示唆され、抗真菌薬についても、PK-PDや病態を考慮することが重要であると考えられた。