音楽知覚認知研究
Online ISSN : 2434-737X
Print ISSN : 1342-856X
ジャズ音楽家のテンションハーモニーの認知技能
高橋 範行 大浦 容子
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ジャーナル オープンアクセス

2017 年 23 巻 1 号 p. 19-34

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抄録
即興演奏にはリアルタイムに音楽構造を組み立てるための知識・技能が必要となる。本研究では,ジャズの即興上の指標のひとつであるハーモニーの把握において,「ジャズ音楽家はテンションハーモニーからその基本となるハーモニーを認知する技能を発達させている」という仮説を立て,クラシック音楽家との比較によって実験的に検証した。いずれの課題においても,クラシック音楽家に比べてジャズ音楽家は高いパフォーマンスを示し,仮説を裏付ける結果が得られた。またこのようなジャズ音楽家の認知技能には,ハーモニー進行の知識や,基本となるコードタイプに関連づけられたテンションコードの知識が関わっていることが示唆された。
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© 2017 日本音楽知覚認知学会
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