Charlie Parker,Lester YoungおよびColeman Hawkinsの8分音符表裏拍のタイミングを波形編集ソフトを用いてパソコンで計測し比較した。拍頭に刻まれるベースに対する8分音符表拍の遅れをベース1拍の長さで除した値を遅れ値,8分音符表拍の長さをベース1拍の長さで除した値をハネ値,遅れ値とハネ値を和した値を裏拍値とすると,遅れ値と裏拍値はHawkinsからYoungを経てParkerの時代へと大きくなった。ハネ値はYoungおよびParkerはHawkinsより小さくなる傾向であった。これらが1930年代後期から1940年代中期において,スウィングジャズからビバップへの変遷期におこった8分音符のタイミングの主要な変化であろうと考えられた。また,特にParkerの大きな遅れ値は現代のモダンジャズの8分音符のタイミングにもそのまま引き継がれていると推測された。