抄録
【目的】急変時対応のシミュレーション教育に関する研究を外観し,今後の課題を明らかにすることを目的とする.
【方法】医中誌Web版に2020年11月までに公表された急変時対応能力向上のためのシミュレーション教育に関する23論文を対象とした.
【結果】急変時対応のシミュレーション教育に関する研究は,2008年から毎年1論文から4論文発行され,大きな変動なく推移していた.研究デザインは全て準実験研究であった.生命の危機に関わる急変のシナリオをさまざまなツールを用いてシミュレーション教育を展開し,ブリーフィング,デブリーフィング,ファシリテーターの配置を含んで実施されていた.急変時対応能力向上のためのシミュレーション教育の研究の評価は,対象看護師の主観的指標,技術チェックリストにより実施されているものが多かった.
【結論】急変の予測・判断力と急変対応技術を含むシミュレーション教育プログラム,評価ツールの開発及び研究デザインの検討が課題であることが示唆された.