日本臨床看護マネジメント学会誌
Online ISSN : 2435-2691
抗悪性腫瘍剤使用部署看護師における医薬品添付文書の 情報活用とその影響要因
立石 礼望東 八千代黒川 雄平松尾 和枝能登 裕子松本 美晴橋口 暢子
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2021 年 3 巻 p. 63-

詳細
抄録
目的:医薬品添付文書の活用を促進する方策の示唆を得るために,抗悪性腫瘍剤使用部署看護師における医薬品添付文書の活用状況と活用に対する影響要因について検討した. 方法:抗悪性腫瘍剤使用部署に勤務する看護師を対象に,質問紙にて基本属性,医薬品添付文書の活用実態と情報活用実践力について調査した.医薬品添付文書の活用の有無と個人属性や医薬品添付文書に対する認識,情報活用の実践力との関係について二群の差の検定を行い,医薬品添付文書活用の有無に関連する要因を探索するために二項ロジスティック回帰分析(ステップワイズ法)を行った. 結果:看護師800名に質問紙を配布し,309名から回答を得た(回収率38.6%).医薬品添付文書を76.3%の看護師が活用し,活用時は初めての薬剤の時が最も多かった.医薬品添付文書の活用上の問題点は,医薬品添付文書の構成と内容についての回答が多かった.医薬品添付文書の活用には,医薬品添付文書を学ぶ機会を有していること,抗悪性腫瘍剤の情報の必要性および医薬品添付文書に対する重要性の認識が高いこと,情報活用の実践力のうち収集力が高いことが影響していた. 結論:看護師には医薬品添付文書の構成面の特徴や,医薬品添付文書に記載されている情報の内容について理解できるように学習する機会を整備する必要があることが示唆された.医薬品添付文書がより身近な情報源となるよう環境を整備する必要があることが明らかとなった.
著者関連情報
© 2021 一般社団法人 日本臨床看護マネジメント学会
前の記事 次の記事
feedback
Top