抄録
目的:多職種連携 が看護必要度のデータを価値あるケア情報やサービスへと変化させ,有効的に利用できるかを検証することを目的とした先行研究を系統的にレビューし,看護必要度の活用に際しての課題を整理した.
方法:医学中央雑誌 Webを使用し2022年8月検索) 「看護必要度」と「多職種」及び 看護必要度の評価に関わる職種である,「理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,医師,事務職員,薬剤師,ソーシャルワーカー,介護福祉士,管理栄養士,歯科衛生士,放射線技師,検査技師,臨床工学技士,ケアマネジャー」 の 各職種名称を検索語として組み合わせ た.
結果と考察:検索の結果,解説,会議録,座談会等を扱った文献を除外すると,原著論文は57件 となった.これらか ら看護必要度を用いた多職種連携の推進に関する研究動向として相応しいと考えられた12件をもとに,以下の知見を得た. 看護必要度が診療報酬に導入された2002年当初から看護必要度と多職種に関する研究は報告されていた が,2016年の診療報酬改定を契機に看護必要度を用いた多職種連携を図るための 評価システムが試行されていた. また,看護必要度は多職種 において既に業務量評価,看護必要度評価における精度改善チーム医療等に活用 されていた.
結論:看護必要度は,これまで看護職員が主となった研究が多数,報告されてきたが,多職種が看護必要度のデータやシステムを業務に活用 している事例が示されつつあることが明らかになった.