抄録
本研究では,著者らが先行研究において提案した歩幅を操作指標として用いた車いす発進 ・ 停止操作方法の有効性について検討した.若年女性 10名を介助者,若年男性 10名を乗車者とし,発進 ・ 停止とも自由な加減速操作,介助者が任意の考慮により乗り心地を意識した操作,歩幅を用いた操作を行わせた.乗車者の乗り心地に関する主観評価と車いすの走行軌跡の測定を行った.歩幅を用いた操作方法は特に停止において,自由な操作よりも主観評価が高くなり,任意に乗り心地を意識した操作と同等の乗り心地を示した.さらに,歩幅を用いた操作は自由に減速した場合とほぼ同様の走行特性を示し,任意に乗り心地を意識した場合より減速に要した時間が短くなった.そのため,著者らが提案した歩幅を操作指標とした発進 ・ 停止方法は,特に乗り心地への影響が大きい停止操作において,介助者が任意にて乗り心地を考慮した場合と同程度の乗り心地が得られ,所要時間が短い効率のよい操作が行える可能性が示された.