日本看護技術学会誌
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原著
大腿動脈・静脈を介して心臓カテーテル検査を受ける患者のストレス評価
萩野谷 浩美佐伯 由香
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2013 年 12 巻 2 号 p. 14-22

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抄録
 本研究は,大腿動脈 ・ 静脈を介して心臓カテーテル検査を受ける患者のストレスの程度を評価することを目的とした.
 大腿動脈あるいは大腿静脈を介して心臓カテーテル検査が実施された患者9名 (男性5名/女性4名,53~84歳) を対象に,検査前後における患者のストレスの程度を唾液αアミラーゼ活性 (以下sAA),心拍変動の周波数解析などの自律神経機能とvisual analogue scale (以下VAS) を用いて評価した.
 検査後のsAAは,安静解除直前まで上昇傾向を示し,安静解除後に有意に減少した.この変動は,心拍変動の周波数解析から算出したLF/HFの結果とも類似していた.安静解除後1時間のVASは,他の時点と比較して有意に低かった.これらの結果は,安静解除直前までは交感神経活動が亢進した状態にあり,安静解除に伴い交感神経活動が低下することを示している。また,患者の主観的苦痛度も安静解除後に軽減したことが示された.
 心臓カテーテル検査後の安静臥床時では患者のストレスが上昇することから,これを軽減するための援助が必要であると考えられる.
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© 2013 日本看護技術学会
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