抄録
本研究の目的は,在宅脳血管障害者の誤嚥性肺炎予防ケアのための呼吸アセスメントツールを作成し,試行により臨床適用可能性を検討することである.本ツールのねらいは,状態を評価するアセスメント力の強化およびアセスメントからケアの判断の明確化である.研究方法は,第一段階として,訪問看護師へのインタビュー調査と文献検討から呼吸アセスメントツールを作成した.内容は,4つのケアの構成要素からなり,それぞれに「アセスメント項目」と「ケアの方針」を設定した.第二段階は,訪問看護師と研究者と協働で8事例に対し本ツールを試行し,臨床適用可能性を検討した.結果,本ツールは,訪問看護における臨床適用可能性があり,特に換気 ・ 咳嗽に関するアセスメントとケアの判断を強化することが示された.アセスメント項目について一部修正が必要であったことから,今後は,修正点を反映した呼吸アセスメントツールを検証する必要がある.