日本看護技術学会誌
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研究報告
温罨法が末梢と心臓の自律神経系に及ぼす効果
江上 千代美長坂 猛近藤 美幸井垣 通人田中 美智子
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2014 年 12 巻 3 号 p. 34-39

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抄録
 本研究は冷え症への援助の基礎研究として,健常女性を対象に温罨法を行った場合の末梢と心臓の自律神経指標の関係について検討した.温罨法は腰部に120分間実施し,表面皮膚温とRR間隔を測定した.末梢の自律神経指標は皮膚表面温度較差,心臓の自律神経指標はRR間隔を測定し,ローレンツプロット解析によって算出した交感神経と副交感神経指標を用いた.その結果,120分時点の心臓交感神経指標は罨法条件が罨法無条件より低かった.皮膚表面温度較差は120分時点で,罨法条件が罨法無条件より縮まったが有意差はなかった.副交感神経指標は120分時点で両条件ともに開始時点より有意に上昇したが,条件間に有意差は認められなかった.末梢と心臓の交感神経指標の関係は両条件ともに相関が認められなかった.これらより,温罨法を行った場合の末梢と心臓の自律神経指標の関係は交感神経地域性応答が起きているものと推測された.
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© 2014 日本看護技術学会
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