日本看護技術学会誌
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研究報告
切迫性尿失禁をもつ外来患者のためのコーチングを用いた自己管理指導プログラムの短期的評価
髙植 幸子林 智世
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2014 年 12 巻 3 号 p. 40-49

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抄録
 本研究の目的は,切迫性尿失禁をもつ外来患者用のコーチングを用いた自己管理指導のプログラムの効果を評価することである.切迫性尿失禁をもつ21名の外来患者を対象者とした.自己管理指導をGROWモデルで分析しコーチングの基本要素の有無を分析した.1ヵ月後,自己管理指導前後の,排尿症状,自己管理の実施頻度,IQOLを比較した.1名をのぞくすべての対象者がGROWモデルによるコーチングの基本要素のいくつかを言語化していた.自己管理指導後,有意に自己管理の実施頻度が高まり (p <0.001),1回排尿量は増加 (p <0.001) し,昼夜の排尿回数は減少し (p <0.05,p <0.01),IQOLは上昇 (p <0.05) した.患者のIQOLと関連していたコーチングの要素は,「資源の発見」 (p <0.001) と「選択肢の想像」 (p <0.05) であった.
 切迫性尿失禁をもつ外来患者用のコーチングを用いた自己管理指導のプログラムは,患者の自己管理の促進効果,症状低減効果,QOLの向上効果が認められた.
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© 2014 日本看護技術学会
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