日本看護技術学会誌
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短報
排便パターン分類に必要な観察期間の検討
―4週間から2週間への短縮化の可能性―
井垣 通人菱沼 典子細野 恵子吉良 いずみ田中 美智子加藤木 真史加藤 京里丸山 朱美留畑 寿美江
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2016 年 15 巻 2 号 p. 183-187

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抄録

 本研究は看護師が臨床現場にて, 先に報告 (細野ら 2016) された排便状況を分類 ・ 判断するフローチャートを使用するにあたっての排便状況の調査期間を検討したものである. 排便状況の調査期間を4週間としてきたが, ケアの判断および開始を早める可能性を考え, 調査期間を2週間に短縮する検討を行った. 参加者148名 (平均年齢37.0±13.7歳) の「排便日数」「排便回数」「便の硬さ (便性状) 」および「便量」について, 4週間調査と連続2週間調査の同等性を検討した結果, 「排便日数」および「排便回数」について, 4週間調査と連続2週間調査の平均1週間の人数分布はほぼ同等であり, 両者で有意な違いはなかった. また, 「便の硬さ」について, 「硬い」「普通」「泥状」「水様」の4週間調査と連続2週間調査の平均1週間の割合に有意差はなく, 「便量」についても, 4週間調査と連続2週間調査の平均1週間の「母指頭大」「中間」「手拳大以上」の割合に両者で有意な違いはなかった. 以上の結果より, 本フローチャートの調査期間は2週間へ短縮することが可能であることが確認された.

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© 2016 日本看護技術学会
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