日本看護技術学会誌
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原著
罨法による背部への温度刺激が脳血流動態に及ぼす影響
前田 耕助大黒 理惠大河原 知嘉子樺島 稔齋藤 やよい
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2017 年 15 巻 3 号 p. 245-254

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抄録

 背部への温度刺激が脳の活動に及ぼす影響を, 近赤外分光法を用い脳血流動態から明らかにすることを目的とした. 健常成人男性28名の背部の肩甲骨間に, 16℃, 33℃, 42℃の温度に設定したホットパックを420秒間当て, 左前頭前野の脳血流動態の測定と快 ・ 不快の主観評価を行った. 分析は脳血流量をZscore化し, 各時間帯の脳血流量ならびに脳血流動態の変化をもとめた. 結果, 16℃の温度刺激による脳血流量の変化量は, 刺激開始から60秒で33℃と42℃より, 90秒で33℃より減少した (P<0.05). 温度刺激に伴う快 ・ 不快による脳血流動態への影響は, 42℃のみ快の脳血流動態の増加または減少の変化が不快より小さかった (P<0.05). これらより16℃の背部への温度刺激は一時的に33℃, 42℃とくらべ脳血流量に減少の変化を促すこと, 背部への温度刺激に伴う快 ・ 不快による脳血流動態の増加または減少の変化は, 刺激温度によって異なることが明らかになった.

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© 2017 日本看護技術学会
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