日本看護技術学会誌
Online ISSN : 2423-8511
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原著
清拭方法の違いによる皮膚表面pH,汚れの除去,主観への影響
小島 悦子藤長 すが子草薙 美穂
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2018 年 17 巻 p. 43-50

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抄録
 本研究の目的は, 温タオル清拭, 石鹸清拭, 清拭料清拭, 重曹清拭の4方法について, 皮膚表面pH, 油分量, ATP値の減少率, 皮膚表面温度および主観を比較し, 清拭方法による影響を評価することである. 調査方法は, 準実験デザインとし, 健康な成人男女15名全員に4方法の清拭を無作為の順番で実施した. 結果, すべての清拭方法において, 清拭前とくらべて清拭直後に末梢である第3指腹部の皮膚表面温度が上昇し, ATP量が減少したが, 重曹清拭は温タオル清拭や石鹸清拭とくらべ有意にATP減少率が低かった. 皮膚表面pHは, 温タオル清拭, 泡立て石鹸清拭, 清拭料清拭において入浴後と同じような経過をたどった. 主観的評価において, すべての清拭において爽快感, 快適感が得られた. 臨床では, 温タオル清拭を日常的に行いながら, 皮膚の汚れに応じて石鹸清拭を選択する必要があるが, いずれの方法においても清拭後の皮膚ケアが重要と考えられた.
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© 2018 日本看護技術学会
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