日本看護技術学会誌
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短報
下腿部への保湿剤塗布の効果検証
―リラクセーション効果に与える影響―
人見 太一谷地 ちぐさ山口 創
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2018 年 17 巻 p. 90-94

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抄録

 皮膚の問題を抱える高齢者への保湿剤塗布は, 非常に重要な看護業務の一つであると考えられる. 本研究では, 健康な成人16名を対象に, 下腿部へ保湿剤塗布を行い, 自律神経活動や主観的重心感覚について介入前後で比較した. その結果, 介入前後で副交感神経指標であるHFの増加, 心拍数の減少, そして左右の重心感覚の変化を認めた. これらの結果は, 患者への心肺系の休息活動や, 転倒予防へ向けた身体感覚を向上させる可能性を示唆した. また, 自由回答では上半身の変化を自覚した回答が得られた. 今後はさらに, 下腿部のみならず, 全身への効果を検討していく価値があると考えられた.
 これらの結果から, 下腿部への保湿剤の塗布は, 単なる保湿ケアのみならず, 副交感神経系, 主観的重心感覚の変化をもたらす可能性を示唆した.

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© 2018 日本看護技術学会
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