本研究は, 睡眠障害を有する重症心身障害児者に対し両前腕への継続的な温罨法が睡眠リズムに与える影響の検討を目的に, 不規則睡眠覚醒型の睡眠障害を有する準超重症児者1名を対象に, 2015年9月から12月に介入調査を実施した. 温湿熱パックを使用した両前腕への温罨法を1日20分間4週間継続して実施し, 介入前後の睡眠/覚醒時間, 睡眠状況, バイタルサイン, 皮膚状態の変化を比較した. その結果, 日中のうとうと時間の有意な減少, 覚醒時間の有意な増加が示された. バイタルサインや皮膚状態は継続的な湿熱加温の実施後において異常所見はみられなかった. 以上の結果から, 本温罨法による湿熱加温刺激は準超重症児者の深部体温に刺激を与え睡眠リズムに影響を及ぼすこと, 両前腕への継続的な湿熱加温刺激による本温罨法は安全性を有することが示唆された.