抄録
【目的】活動制限患者の手指衛生に対する看護師の認識と支援行動の実態を明らかにする.
【方法】一般病棟の看護師250名を対象に自記式質問紙調査を実施した.
【結果】有効回答のあった対象者160名の認識について「患者の手指は汚染されていると思う」は中央値5であり, 他の項目は2~4であった. 支援行動は131名 (81.9%) が実施し, 内訳は「手指衛生が行えるよう介助をする」128名 (97.7%) , 「手指衛生の指導をする」56名 (42.7%) で, その目的は「患者の清潔を保つ」115名 (87.8%) , 「患者自身の感染予防」108名 (82.4%) などであった. 「手指衛生が行えるよう介助をする」タイミングについて「いつも行っている」割合が最も高かったのは「患者の手指が目に見えて汚染している時」61.7%であり, 最も低かったのは「面会者との交流後」0.8%であった.
【考察】医療関連感染の拡大防止の観点から患者の手指衛生に対する看護師の支援行動の実施は不十分であり, その要因として看護師の認識が不十分であることが示唆された.